「因幡の白うさぎ」の舞台に建つ、神話の「白兎神」をお祀りした神社。【白兎神社／鳥取県鳥取市】

日本神話の「因幡（いなば）の白うさぎ」で知られる、「白兎神（はくとしん）」をお祀りした神社。

神社の境内や周辺には、白兎神が身体を洗ったと伝わる「御身洗池（みたらしいけ）」や、白兎神が隠岐の島（島根県）から流れついたと伝わる「淤岐ノ島（おきのしま）」など、神話の舞台が多く残っています。

神社にはかわいいうさぎの石像などがたくさんあり、御守りやおみくじなどもうさぎ尽くし！
うさぎ好きにはたまらない神社です。

ご存知のとおり、令和５年（2023年）の干支はうさぎ！
縁起の良い「うさぎの聖地」にお参りして、干支のパワーをいただいてみませんか？

日本初のラブストーリーを叶えた縁結びの神様。皮膚病・やけどのご利益も！　～ 白兎神社のご由緒 ～

『白兎神社』は、古事記や日本書紀に記された由緒正しい神社です。
「因幡の白うさぎ」の神話から、「皮膚病」や「やけど」のご利益があると伝わっています。

※因幡の白うさぎ：白兎神がワニザメに皮をはがされて、さらに間違った治療法をいじわるな神々に教えられて泣いていたところ、通りがかった大国主命に助けられて、元の美しい白うさぎに戻ることができた

さらに白兎神が「大国主命が意中の八上姫（やかみひめ）と結ばれる」と予言してそれが的中したことから、「縁結び」のご利益でも知られています。
そのため平成22年（2010年）に「恋人の聖地」に認定されて、日本初のラブストーリーの舞台としても有名になりました。

『白兎神社』がある鳥取市には、ほかにも「因幡の白うさぎ」の舞台がたくさんあります。
うさぎ年の令和５年に、縁起の良い「うさぎの聖地」を旅してみませんか？

白兎神をお祀りする『白兎神社』は、おみくじや御守りなどの授与品もうさぎ尽くし！
ズラリと並んだ可愛いうさぎに、ぜひ良いご縁を結んでもらって！

一番人気の「白うさぎおみくじ」は、陶器でできた白うさぎの中におみくじが入っています。
おみくじを見た後は置物やインテリアにできて、おみやげにもピッタリ。

『白兎神社』の名物「うさぎ焼き」。
『白兎神社』の参道入口で、土曜・日曜・祝日に販売されています。

うさぎをかたどったモチモチの生地の中に、たっぷりのあんこが詰まった人気のおやつ。
赤と白の２色あり、赤は神話の中で皮を剥がされてしまったうさぎの姿をイメージしているんだとか。

『白兎神社』の社務所で授与していただける「結び石（願掛け石）」。

袋の中には良縁・子宝・繁盛・飛躍・健康の五つのご縁を結んでくれる石が入っていて、願い事をこめて『白兎神社』の鳥居や白うさぎの石像にのせると、願いが叶うと言われています。

もちろんお土産として持って帰ることもできます。

『白兎神社』の境内にある「御身洗（みたらし）池」。
神話「因幡の白うさぎ」で、白兎神が傷口を洗い、身を癒したと伝わっています。

季節を問わず水位が一定に保たれているため、「不減不増の池」とも言われています。

『白兎神社』を含む鳥取市の‟白兎海岸エリア”には、「因幡の白うさぎ」にまつわるスポットがいっぱい！

神話の舞台を巡って日本初のラブストーリーに想いをはせたり、街のそこかしこにたたずむ可愛いうさぎに癒されたり、神話「因幡の白うさぎ」にちなんだ道の駅やカフェなどで休憩したり。

「うさぎ年」にふさわしいパワースポットの旅はいかが？

鳥取市は「うさぎの聖地」！　白兎伝説ゆかりの地を巡ろう

鳥取市は「因幡の白うさぎ」の舞台になった「うさぎの聖地」。
市内には、神話に登場するスポットがいくつも残っています。

景色もきれいなので、ぜひのんびりお散歩気分で巡ってみてください。

白兎海岸・白兎海水浴場

「因幡の白うさぎ」が大国主命と出会った海岸。

ここにある「淤岐ノ島（おきのしま）」に島根の隠岐の島から流れついた（またはもともと淤岐ノ島に住んでいた）白うさぎが、海にいたワニザメたちをだまして海岸まで渡ろうとしたところ、それに気づいたワニザメたちに皮をむかれてしまい、通りがかった大国主命に救われました。

大国主命に助言されて真水で体を洗い、ガマの穂にくるまった白うさぎは、元の白くて美しいうさぎに戻りました。

現在の白兎海岸は、弓なりに連なる白い砂浜と、コバルトブルーの日本海が美しい絶景ビーチ！
夏は大勢の海水浴客やサーファーでにぎわいます。

海岸沿いの国道には、鳥取県出身の作曲家・田村虎蔵が作曲した童謡｢大黒さま｣の歌碑があります。

さらに東側にはハマナスの群生地があり、ハマナスが自生する南限地として、国の天然記念物に指定されています。
※ハマナスの見ごろ：5月中旬～6月中旬

淤岐ノ島（おきのしま）

白兎海岸の西側・気多ノ前（けたのさき）と呼ばれる岬の約150メートル沖にある小島。
白うさぎが大水で流れついた島と伝わっていて、白うさぎはここから海岸（気多ノ前）に渡るためにワニザメをだまして背中を渡りました。

淤岐ノ島の高さは約10メートル。約2000万年前の火山活動によって、火山灰や火山礫などが降り積もってできた岩です。
島のまわりは波食棚（岩礁の群れ）になっていて、沖側の平らな岩棚は「千畳敷」と呼ばれています。

気多ノ前に向かって伸びた岩礁は飛び石のように海の上に頭が出ていて、これが神話に語られたワニザメの背中のようにも見えます。

白兎の丘　（気多ノ前（けたのさき）展望広場）

白兎海岸の西側にある展望スポット。
白兎海岸と隣の小沢見海岸の全景を望めます。
さらに天気が良い日には、東は鳥取砂丘や賀露（かろ）港、西は大山（だいせん）まで一望できます。

展望広場にはカメラスタンドが設置されていて、コバルトブルーの日本海をバックに映える写真が撮れます。

さらに‟恋人の聖地‟白兎海岸にちなんで、２人で鳴らすと幸せになれる「愛の鐘」と「白兎のお告げ箱」が設置されています。
「白兎のお告げ箱」から3歩下がって願い事を書いたコインを投げ入れると、少ない回数で入るほど、願いが叶う日が近いと言われています。

※オリジナルコインは「道の駅 神話の里白うさぎ」で販売しています。
※「白兎の丘」には車では入れないため、「道の駅 神話の里白うさぎ」から遊歩道で向かってください。

道の駅 神話の里 白うさぎ

白兎神社のとなり、国道９号線沿いにある道の駅。
目の前には白兎海岸が広がっています。

鳥取市の特産品や地酒、「因幡の白うさぎ」グッズなど、豊富な品ぞろえでお土産探しにピッタリ！
観光パンフレットや休憩所も充実していて、２Fの展望広場からは白兎海岸と日本海を一望できます。

同じく２階にあるレストラン「ぎんりん亭」も、日本海を180度見渡せる展望スポット！
鳥取の海の魚が泳ぐ大きないけすが名物で、それらを使った海鮮料理を味わえます。

夕方から夜にかけては、日本海に沈む夕日や、沖に浮かぶ漁り火なども楽しめます。

「道の駅 神話の里 白うさぎ」の名誉駅長「縁（えにし）くん」。
2022年7月生まれの男の子で、ネザーランドドワーフのアルビノ。2023年1月1日から2代目の名誉駅長を務めています。

（初代名誉駅長の「命（みこと）くん」は、14歳（人間なら約100歳）の長寿でした）

賣沼（めぬま）神社　（鳥取市河原町）

古事記に記された「因幡の白うさぎ」のヒロイン・八上姫＝八上比売命（やかみひめのみこと）を祀った神社。

絶世の美女・八上姫のうわさを聞いた大国主命は、兄神たちと共に因幡の国に求婚におもむきます。
ですが兄神たちの荷物をたくさん持たされて、さらに兄神たちが意地悪をした因幡の白うさぎ（白兎神）を助けたことで、兄神たちに遅れて姫のもとに着いてしまいました。

ですが八上姫は、白うさぎの予言どおり心優しい大国主命を夫に選んだのです。

明治元年にイザナギノミコト・保食神・建御名方神・高龗神・闇龗神も合祀（ごうし／神社の合併などで神々を一緒の神社に祀ること）されました。

主祭神に八上比売命だけを祀る神社は全国的にも珍しく、縁結びの神社として人気です。

可愛いうさぎの石像や御守りなどがいっぱいの『白兎神社』と、同じくうさぎの石像やキャラクター・お菓子・名物・名所などがいっぱいの鳥取市は、うさぎ年にふさわしい「うさぎの聖地」！

令和５年（2023年）の夏～秋ごろにかけては、鳥取の特産品などが当たるスタンプラリーやイベントなども開催予定。

取材協力・写真提供：鳥取市 観光・ジオパーク推進課／無断転載禁止
ライター：風間梢（プロフィールはこちら）