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神崎神社|日本一の龍の彫刻が見事! 鳥取県琴浦町の「荒神さん」

2024年1月31日

神崎神社 2024年の干支は辰(龍)!
龍にまつわる神社とお寺で開運を願ってみませんか?

鳥取県琴浦町は、日本海と大山に囲まれた風光明媚な町。

・日本一長い龍の彫刻で知られる「神崎神社」
・龍の天井画が美しいお寺「清元院」


があり、縁起の良い「昇龍めぐり」を楽しめます。

【神崎神社】
住所:鳥取県東伯郡琴浦町赤碕210
電話:0858-55-0598

※電話番号は宮司宅のため、NAVIの電話番号登録には使用できません(登録される場合は「神崎神社」でお願いします)
参拝時間:9:00~16:30
駐車場:あり

※マイクロバスまで駐車可

【清元院】の記事はコチラ→

神崎神社

神崎神社の魅力 ~日本海を望む工芸品のような神社~

鳥取県の秀峰・大山(だいせん)の北に位置する琴浦町。
ここに日本一長い龍の彫刻がある『神崎神社』が建っています。

日本で最も長い龍の彫刻は、なんと16m!
「願いを叶えてくれる」と伝わる如意宝珠(にょいほうじゅ)を持ち、威風堂々とした姿で身をくねらせています。

そのため、「神崎神社の龍の真下で祈ると願いが叶う」という言い伝えが。
ほかにも竜宮城や唐獅子牡丹など、あちこちに壮麗な彫刻が彫られています。

まるで工芸品のよう! 無数の彫刻で飾られた神社は、まるで工芸品のよう!

鳥取藩のお抱え宮大工たちが日光東照宮にならって建立した、鳥取県の指定文化財です。

『神崎神社』の御朱印 『神崎神社』の御朱印。(写真右)
参拝後、社務所にて授与していただけます。

宮司さんがご不在の場合は、書き置きが用意されているので、初穂料を賽銭箱に入れて頂戴します。

同じ琴浦町内の清元院の御朱印(写真左)もいただけば、辰年にふさわしい縁起の良さ!

神崎神社のご祭神と歴史

神崎神社のご祭神は、ヤマタノオロチ退治で有名な素戔嗚尊(スサノオノミコト)。
地元の人々は親しみをこめて「荒神(こうじん)さん」と呼んでいます。

神社の起源は室町時代とも言われていますが、最も古い記録は江戸時代の元禄15年(1702年)。

本殿・拝殿ともに見事な彫刻がほどこされていて、本殿の建物は鳥取県の指定文化財の第一号に、本殿と拝殿の扉、および向拝(こうはい)の彫刻は、同じく二号に指定されています。

※本殿とは:神様がいらっしゃる社殿
※拝殿(はいでん)とは:参拝者がお参りするための社殿/本殿の手前に建てられていることが多い
※向拝(こうはい)とは:お参りする位置に張り出した庇(ひさし)/神社の屋根中央の、手前に張り出した部分

今にも動き出しそう! 立体感と躍動感にあふれる『神崎神社』の彫刻。
生き生きとした迫力ある造形は、今にも動き出しそう!

とても数が多くて素晴らしいので、見学時間は30分くらいとるのがおすすめ。

神崎神社の彫刻と建築

神崎神社の拝殿 ~日本一長い龍の彫刻はここ!~

『神崎神社』の龍の彫刻は、参拝者がお参りする「拝殿」にあります。

大注連縄が飾られた拝殿の向拝(こうはい)に立ち、その天井を見上げれば、大迫力の龍が真上に!

7枚の巨大な欅(けやき)の板に、長さ16mにわたって彫られています。

如意宝珠(にょいほうじゅ)

この龍が握りしめているのは、願いを叶えてくれると伝わる「如意宝珠(にょいほうじゅ)」。(写真左下)

「一切の願いが意の如く叶う」という意味のラッキーアイテムで、この下で祈れば願いが叶うと言われています。

大注連縄の上

龍の下で願掛けをしたら、次は数歩下がって大注連縄の上を見てみましょう。

竜宮城・乙姫・浦島太郎・波など、海にまつわる彫刻が絵巻物のように彫られています。
竜宮城の建物には「竜宮」と彫られた旗まであり、とても細かい細工です。

唐獅子(唐獅子牡丹)

それらの両端は牡丹を咥えた唐獅子(唐獅子牡丹)で飾られていて、この唐獅子牡丹もまるで実物のような立体感!

神功皇后

さらに拝殿の右には、かつて大和朝廷と争った熊襲(くまそ)を討伐して、海の向こうの新羅・百済・高句麗に朝貢を誓わせた神功皇后(じんぐうこうごう)が。 

そのお腹は第14代天皇・仲哀天皇の忘れ形見の応神天皇を宿してふっくらとしています。

そして拝殿の左には、神功皇后に仕えた武内宿禰(たけのうちすくね)と応神天皇が彫られています。

神崎神社の本殿 ~神のお住まいを飾る多彩な彫刻~

拝殿の奥にある本殿も見事!

どっしりとした重厚な建築のそこかしこに、やはり臨場感あふれる彫刻が彫られています。

本殿も見事!

本殿の向拝の唐破風(からはふ:軒先の中央などが盛り上がった部分)には、菊・龍・葡萄・リスなどが彫られています。

鳳凰・龍・獏・蝶

そして屋根下には鳳凰・龍・獏・蝶などが。

木鼻(きばな:柱から突き出た木の端)には、楓・菊・大根などの植物や、鼠・牛・馬などの動物が見られます。

さらに大黒様や恵比寿様など、計43種類もの縁起の良いモチーフが本殿を飾っています。

本殿 『神崎神社』の本殿は鳥取藩のお抱え宮大工・小倉園三郎らが嘉永元年(1848年)に着工したもの。

園三郎をはじめとする鳥取藩の大工たちは、鳥取藩と縁の深い徳川家(初代鳥取藩主が徳川家康のひ孫)のつてで家康=東照大権現がご祭神の日光東照宮におもむいて、その技術を学びました。

そして日光東照宮の見事な彫刻にならってまずは分院の鳥取東照宮を、その次に『神崎神社』を建てたと伝わっています。

八ッ棟造り 『神崎神社』の本殿は総けやき造りの権現造りで、通称八ッ棟造りとも呼ばれています。
約6年の歳月をかけて嘉永6年(1853年)に建立されました。

※権現造りとは:寺院の建築様式をとりいれた神社の造りで、本殿と拝殿の間を「石の間」または「相の間」と呼ばれる幣殿でつないだもの(通称・八ツ棟造)

貴重な文化財 拝殿はその26年後の明治12年(1879年)に、小倉園三郎の孫の小倉平次郎らによって建立されました。

本殿は築約170年、拝殿は築約140年を数える貴重な文化財です。

神崎神社の歴史と信仰

神崎神社は江戸時代、神仏習合のならわしによって三宝大荒神(さんぽうだいこうじん)と呼ばれていました。

それが転じて、今も「荒神さん」と呼ばれて親しまれています。

※三宝大荒神とは:仏教の三宝(仏・法・僧)を守護して、不浄をはらって悪人を罰する神
※神仏習合とは:神を祀る神社と仏を祀る寺が尊重しあい、互いの教義や神仏の一部が融合したもの/明治元年の「神仏分離令」によって禁じられて、それ以降は神社と寺、神と仏の分離が進んだ

日本海 ©鳥取県

また、日本海を見渡す高台に建つことから、海の神様として信仰されていました。

近くに菊港(赤碕港)があり、それが北前船の寄港地として栄えたことから、漁師や海運業者(廻船問屋など)から海上安全・水産開運のご利益を祈願されました。

※赤碕港は本港・菊港・西港の3つの港からなり、菊港は歴史的に最も早くできた港

大山

さらに南にそびえる大山(だいせん)の麓が牛馬を育てるのに良く、それらを取引する日本最大級の牛馬市が立ったこと、農地にも適していて、農耕のための牛馬が多くいたことなどから、牛馬の守護神としても敬われるようになりました。

この「牛馬信仰」は当時の伯耆(ほうき:鳥取県の中部~西部)だけでなく、出雲(いずも:島根県の東部)や備後(びんご:広島県の東部)、備中(びっちゅう:岡山県の西部)との境まで広がり、『神崎神社』はおおいににぎわったそうです。

波止のまつり 今も多くの人々に慕われる「荒神さん」こと『神崎神社』。
夏には例大祭と、それに合わせた「波止のまつり」が盛大に催されます。

©鳥取県

神崎神社のお祭 ~波止のまつり~

年に一度、7月28日は『神崎神社』の例大祭です。

これにあわせた7月27~28日の「波止の祭(はとのまつり)」は70年以上も続いています。

7月27日は例大祭の前夜祭で、『神崎神社』から神輿が出て、海のそばの御旅所(神様の宿)までねり歩きます。

波止のまつり ©鳥取県

波止のまつり ©鳥取県

そして日本海に夕日が沈むころに、神輿が御旅所に到着。
その後開かれる花火大会は、花火が間近に打ち上げられて大迫力!

たくさんの屋台も立ち並び、地元の人々や観光客でにぎわう琴浦町の一大イベントです。

船御幸 ©鳥取県

翌7月28日には『神崎神社』で例大祭の祭典が、神社にほど近い赤碕港で「船御幸(ふなみゆき)」が行なわれます。

さらに子供神輿や大人神輿が町内をねり歩き、お祭りは最高潮に達します。

「船御幸」は神輿や神官などをのせた船と、それに付き従う約20隻の漁船が琴浦町の海を一周する壮大な神事! 海の安全と豊漁を祈願しつつ、大漁旗などを勇壮になびかせます。

神輿 ©鳥取県

そのあと御旅所をたった神輿が再び町内を練り歩き、神様が『神崎神社』にお戻りになられます。

【神崎神社 例大祭(波止のまつり)】
開催日:毎年7月27~28日
会 場:神崎神社~赤碕港
お問い合わせ:0858-55-7811(琴浦町観光協会)


波しぐれ三度笠 「波止の祭」が行なわれる赤碕港(菊港)に立つ「波しぐれ三度笠」。
彫刻家・流政之氏による白い御影石製の像で、昔の旅姿をイメージしています。

日本海に突き出た波止場にあり、高さはそれぞれ4.33m。
日本海や壮大な日没に映える姿は、なんとも言えない旅情を誘います。

©鳥取県

清元院 『神崎神社』がある鳥取県琴浦町には、ほかにも神社・仏閣・名所などがいっぱい!

龍の天井絵が美しい清元院は、ぜひあわせて行きたいパワースポット。

神社・仏閣・名所などがいっぱい!

- DATA
神崎神社

HPhttp://kanzakijinjya.com/

住所:鳥取県東伯郡琴浦町赤碕210

電話:0858-55-0598
※電話番号は宮司宅のため、NAVIの電話番号登録には使用できません(登録される場合は「神崎神社」でお願いします)
参拝時間:9:00~16:30
駐車場:あり
※マイクロバスまで駐車可


- DATA
2024 辰年 開運琴浦 昇龍めぐり

HPhttps://www.kotoura-kankou.com/dragons/

住所:鳥取県東伯郡琴浦町別所1030-1

お問い合わせ:0858-55-7811(琴浦町観光協会)
受付時間:9:00~17:15

取材協力・写真提供:神崎神社・琴浦町観光協会・鳥取県/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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