エポラコラムサイト

【西製茶所/出雲市】体にスッと沁み入る「日常のお茶」をお届け。

2019年9月25日

松平不昧公の影響でお茶文化が根付いた出雲の地で、農薬を使わない丁寧なお茶作りを行っている製茶所。伝統的な日本茶はもちろん、紅茶も1985年から製造しており、最初の紅茶ブランド「出雲国の紅茶」は、現在も国産紅茶の定番として変わらぬ人気を博している。
ノンカフェインのハーブティーや薬草茶もラインナップしており、誰もが好みに合ったお茶を選べる。

丁寧に、実直に。日々の暮らしに寄り添ってくれる“自然体のお茶”。

『西製茶所』。
大正12年創業の老舗で、かつ、国産紅茶の定番・「出雲国の紅茶」の製造元としても知られている製茶所です。現在は3代目の西保夫氏と、4代目の西龍介氏・知世氏夫婦が変わらず真面目にお茶作りに励んでいます。

伝統的な日本茶をはじめ、一度は途絶えかけた国産紅茶を1985年に復活・商品化。他にも麦茶・薬草茶・ハーブティーなどなど、滋味あふれる「お茶」を多数取り揃えています。

『西製茶所』が理想とするのは、「すっと体にしみ込んでくる自然体のお茶」。「日常茶飯事」という言葉があるように、「お茶を飲む」という行為は日々の暮らしに欠かせない当たり前の光景でした。

『西製茶所』が作り、お届けするのは、そんな誰の暮らしにも溶け込む「日常のお茶」です。強烈なインパクトや奇をてらった珍しさではない、日々の暮らしに自然に寄り添ってくれるお茶を目指しています。

農薬を使わず大切に栽培された茶葉を原料に、様々な「お茶」を製造。

健康な土で健康な茶葉を育てる。

『西製茶所』のお茶作りは、農薬を使わない、自然の力を生かした土作りが基本です。茶畑を耕すと、端からミミズが現れて後ろからは鳥がついてきます。
お茶の樹本来の力を最大限に引き出す、豊かな生態系が保たれた茶畑。そこで育った茶葉は、優しい味わいでありながらも強い生命力に満ちあふれています。

「出雲の豊かな自然の中で、それらと共存しながら茶樹を育てています。そして、そこで採れた茶葉を原料に一生懸命作ったお茶を飲んで下さる方々がいる事が、本当に幸せな事だと感じています」と、西龍介氏は語ります。

日々変化する自然の中で、その流れに沿った農法で育てている。

茶葉の持つ風味を壊さず、そのまま大切に閉じ込める製法も『西製茶所』の秘訣。

過度な加熱はできるだけ控えて、時間と手間ひまを惜しまずお茶に仕上げている。

お茶×出雲産の素材の相乗効果で、滋味豊かなお茶を開発。

「出雲は海・山・川のすべてが清澄な自然に恵まれていて、お茶以外にも様々な良質な食材が生み出されています。私どもが製品を作る上で。これらの“出雲の自然の恵み”も欠かすことは出来ません」と西氏。

手ずから丁寧に育てた茶葉と、これら“出雲産の素材”の組み合わせ――それが体に優しく沁み込む『西製茶所』のお茶を生み出しているのです。様々な好みに対応する多彩なラインナップは、どれを選ぼうか迷ってしまうほどです。

「例えば『出雲国産 出西しょうが紅茶』という製品は、その名の通り、出雲産の茶葉と生姜を原料としています。開発時に様々な産地や品種の生姜を試しましたが、紅茶と合わせて最もしっくりきたのが、この『出西生姜』でした。こうした素晴らしい素材が身近にあって、生産者さんとも直接お話ができる――この幸運を生かさない手はありません。今では私たち自身が、この出西生姜の栽培も手がけています」

他にもヤマタノオロチ伝説が残る一級河川・斐伊川(ひいかわ)が運んだ栄養たっぷりの土で健康に育った「二条大麦(アサカゴールド)」や、出雲古来の健康ハーブ・「カワラケツメイ」などなど、豊富な原料で様々なお茶を作っています。

雄大な斐伊川の流れ。中国山地から肥沃な土を運び、出雲平野を豊かで恵まれた土地にした。

大麦の畑。出雲平野で盛んに栽培されており、『西製茶所』の「出雲地方産麦茶」は熟練の窯師が大麦の爽快な香ばしさと自然な甘みを引き出す秘伝の焙煎法で仕上げている。それでいて、焦げ臭さや渋みがない味わいが好評。

緑茶・紅茶・ウーロン茶は同じ茶の樹から作られる。茶葉の加工法によって全く異なる色や香りが生まれる不思議。

茶葉×出雲産の素材は無限の可能性を持つ!

十人十色の好みに寄り添う、誰もが愉しめるお茶。

「お茶」は気軽で愉しいもの――それをより多くの人々に知ってもらうために、『西製茶所』では、お手軽なティーバッグタイプから伝統的なリーフタイプまで、様々なお茶を販売しています。

「普段お茶を淹れて飲む習慣がない方にとって、『お茶は淹れ方が難しそうでとっつきにくい』と感じられる事も多いようです。ですが、茶葉とお湯の量をきちんとはかる、沸かした熱湯をいったん別のポット等に移して少し熱を飛ばす、そのお湯を使って急須で淹れて、所定の時間蒸らす、などの基本を押さえれば、とても簡単です。慣れれば応用やアレンジを加えて、いろんな味を愉しめます。さらに種類の豊富さや、製法や原料の違いなども楽しんで頂けます。ぜひこうした奥深い世界に親しんでください」

西氏の言葉通り、『西製茶所』ではバラエティ豊かなお茶をご用意。中でもおすすめかつ人気の製品は、以下の4つだそうです。

●出雲国の一番摘み茎ほうじ茶(リーフ・ティーバッグ)

香りの良い“一番摘み”の茎だけを贅沢に厳選し、直火焙煎でじっくり時間をかけて仕上げたほうじ茶。スッキリした飲み口と、香り豊かな香ばしさが自慢で、ほのかな甘みも感じられます。茶葉はもちろん出雲産で、毎日の休憩や食事のお供におすすめです。

最近 大人気の「ほうじ茶ラテ」にも最適で、リーフタイプ・ティーバッグタイプの両方があります。クセのない優しい味わいは、普段お茶を淹れて飲む習慣がない方にもおすすめです。

●出雲国の紅茶(リーフ・ティーバッグ)

1985年から作り続けている“国産紅茶”の名ブランドです。今でこそ増えた“国産紅茶”ですが、その定番として長年愛されている信頼のブランドです。

酸化発酵を促進させてつくる紅茶は、日本古来の緑茶とは全く製法が異なるため、試行錯誤を重ねての製品化でした。苦みや渋味が比較的少なく、優しい味わいが特徴で、砂糖やミルクなしでも美味しく飲めます。

紅茶を急須で淹れてもよい。気軽に自由に愉しもう。

●出雲国のべにふうき紅茶(リーフ・ティーバッグ)

日本で開発された紅茶用の茶樹・「べにふうき」で作られた紅茶です。ダージリン系の品種で、高い香気としっかりとしたタンニン質が特徴。いくつかある『西製茶所』の紅茶の中でも、より本格的な味わいが楽しめます。優しい味わいの「出雲国の紅茶」と比べて、やや苦味をかもしつつも日本的な柔らかさも漂わせます。お好みによってミルクティーにするのもおすすめです。

他にもいくつもの紅茶があるので、ぜひ味の違いを飲み比べてみてください。

●出雲国のレモングラス&ジンジャー

レモンに似た爽やかな芳香のハーブ・「レモングラス」と、出雲にしかない生姜・「出西(しゅっさい)生姜」をブレンドしたハーブティーです。フレッシュな香りとスッキリとした飲み口で、特に夏のアイスティーがおすすめ。生姜の“温活作用”でクーラー冷えなども優しくケアしてくれます。

原料はいずれも『西製茶所』で栽培された安心・安全なもの。ノンカフェインなので、お休み前のリラックスタイムにもピッタリ。はちみつを加えて甘く頂く飲み方も人気です。

「お茶は薬として広まって、文化として成立し、今は“健康を助ける飲み物”として愛飲されています。そんな心身のリラックスと円滑なコミュニケーションをもたらしてくれるお茶は、日々の暮らしに欠かせません。水のように空気のように、当たり前にそこにあるものとして、ぜひ気軽にお飲みください」と西氏は語ります。

激変する気候の中でも、日々研鑽(けんさん)して「お茶作り」に励む。

「近年は異常気象が多く、そのような条件の中でのお茶作りは簡単ではありません。将来への不安もないわけではありませんが、それでも出雲の豊かな自然とお客様に支えて頂きながら、一年一年を勉強しながら過ごしています。これまで積み上げてきたものは、今後もしっかりと継続していきます。一方で、少しずつですが新しいことにも挑戦していきたいと思っています」と西氏。

「私どもは小さなお茶の製造家です。だからこそ、きちんと試行錯誤をして、お茶作りの技術を高めていかなければならないと考えています。時間はかかるかもしれませんが、新しい製品作りにも取り組んでいますので、良いものが出来ればご紹介して参りたいと思います」

あくまで真面目に、実直に。日々の暮らしに寄り添う、体に自然に沁み込むお茶を『西製茶所』は今後も作り続けていきます。

初秋に咲くお茶の花。季節の巡りを感じながら出雲の自然の中でお茶を育てる。

- DATA
西製茶所

HP:http://www.nishiseichasho.jp/
オンラインストア:http://nishiseichasho.shop-pro.jp/
住所:島根県出雲市斐川町出西2720-1

電話番号:0853-72-6433
FAX番号:0853-31-4024
営業時間:9:00~17:30
休日:土・日・祝
※お茶のご購入はネットショップ・お電話・FAXで受付けています

取材協力・写真提供:西製茶所/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

Related Posts
関連記事

メニュー
epauler公式ショップ