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【木次線トロッコ列車・奥出雲おろち号】レトロな車両で巡る神話のふるさとの旅!」

2019年6月11日

出雲神話の舞台・奥出雲を駆け抜けるトロッコ列車。窓がない開放的な客席からは、心地よい自然の風を浴びながら、刻々と移り変わる絶景を眺められる。

季節と景色を肌で感じられる、爽快な列車の旅。

レトロでウッディな車両と、開放的な客席から眺められる絶景が人気のトロッコ列車。
全国各地の景勝地で運行されていますが、中でも田園風景から山岳地帯までダイナミックに変化する景色と、全国でも珍しい “三段式スイッチバック” の驚きで人気なのが、この『奥出雲おろち号』です。

新緑が萌える4月から、紅葉が燃えさかる11月まで運行。その季節の移り変わりを肌で感じながら、出雲神話の舞台となった名所を巡ったり、それらにちなんだグルメを味わったりと、鉄道マニアのみならず、旅を愛する多くの人々に好評です。

JR木次線の木次駅 ~ JR備後落合駅までの60.8kmを、各駅停車で1日1往復運行
※運転日注意
※一部出雲市駅から延長運転

途中下車して各地の名所を巡っても良し、個性豊かな駅とそこで味わえるグルメを楽しむのも良し。現地のガイドツアーやバス・タクシー等と組み合わせたプランもあるので、お好みに合わせて奥出雲の旅を楽しもう。

のどかでアットホームながらも、美しい車体。

『奥出雲おろち号』の車体は、爽やかなマリンブルーとホワイトのカラーリングに、星のマークを散りばめたもの。
さらに出雲神話に登場する大蛇・『ヤマタノオロチ』をモチーフとしたエンブレムや、ウッディなしつらえの客席など、列車自体が魅力的で興味深いものとなっています。

また、2両編成のうちの1号車には窓が無く、風や景色をダイレクトに感じられます。もう一方の2号車は控車となっていて、雨や寒い時にはこちらに乗り換えることができます。

そんな魅力的な列車で巡る駅もまた、それぞれに魅力的。
特に下記の駅とその近辺の名所は、途中下車しての観光に最適です。

●JR出雲市駅 と 出雲大社
国譲り神話の主役・大国主命をお祀りしたあまりにも有名な縁結びの神社(駅からバスで約25分)

●JR出雲坂根駅 と 『延命水』
『島根県名水百選』に選ばれた、寿命100年を超える古狸が愛飲していたと伝わる湧き水。駅構内と駅前の道を隔てた反対側に水汲み場があり、全4ヵ所の蛇口から自由に汲めます。

●JR出雲八代駅 と  『奥出雲多根自然博物館』
松本清張氏の長編小説・『砂の器』の映画のロケ地となった駅。劇中では『亀嵩駅』として登場しました。約1.5km離れた『奥出雲多根自然博物館』は、ホテルを併設した「泊まれるミュージアム」として有名。恐竜などの化石や奥出雲の考古遺物などが見られるほか、宿泊者限定の “ナイトミュージアム” も行っている。

●JR出雲横田駅 と 『雲州そろばん』
神社と同じ “宮造り” という工法で建てられた、大きな注連縄(しめなわ)が飾られた駅。そろばん発祥の地でもあり、現在も主な生産地となっているため、駅舎の隣にはその歴史や技術を紹介する『雲州そろばん伝統産業会館』があります。さらに500mほど離れた『そろばんと工芸の館』では、そろばん造り体験ができます。

●JR出雲三成駅 と 鬼の舌震 (おにのしたぶるい)
美しい姫君に恋した和仁(ワニ=サメ)の伝説で知られる、約2kmにも渡って続く奇岩奇勝の渓谷(駅から車で約5分)

●JR出雲三成駅 と 菅谷たたら山内
国内に現存する、唯一のたたら製鉄の史跡(駅から車で約20分)

なお、JR奥出雲三成駅とその周辺のスポットを巡るには、

●奥出雲町サイクリングターミナル

のレンタサイクルが便利です。
B&B(ベッド&ブレッド=宿泊&朝食)もでき、レストランや外来入浴が可能な浴室もあるので、アクティブな旅の拠点にぴったりです。

地元の人々にも愛されている『奥出雲おろち号』は、各地で温かい歓迎を受ける。

沿線の人々が手を振ってくれたり、幼児園の子ども達が駅や園庭で歌を歌ったりしてくれるなど、素朴な人々との触れあいも魅力。

ダイナミックに変化する景色に歓声が上がる!

もちろん観光だけでなく、車窓から楽しめる絶景も見逃せません。
下記の区間が特に見どころとなっているので、シャッターチャンスを逃さないようにしましょう。

●下久野トンネル
全長2,241mもある、JR木次線の路線上で最長のトンネル。ここを通過する際は、車内の天井にあるヤマタノオロチのイルミネーションが色を変えながら輝きます。

●JR出雲坂根駅 ~ JR三井野原駅の区間
列車に乗らないと見られない風景が多数続く、ダイナミックなビューポイントです。
『奥出雲おろち号』のハイライトの “三段式スイッチバック” が体験できるのも、この区間。急勾配の山肌を三段階に折り返して登っていく過程は、見事の一言です。

“三段式スイッチバック” の区間を越えると、今度は鮮やかな赤い橋が現れます。
これは『三井野大橋』という島根と広島の県境にかかる橋梁で、そこから延びた日本最大級のループ橋・『奥出雲おろちループ』と共に、国道314号線における“三段式スイッチバック” と同様の高低差を繋いでいます。

目がくらむような高さも、大蛇がとぐろを巻いたかのような雄大なループ橋も、旅のクライマックスにふさわしい絶景! しばらくここで停車してくれるので、思う存分撮影に励みましょう。

さらにJR三井野原駅 ~ JR油木駅 ~ JR備後落合駅と進んでいきます。
ここからJR芸備線に乗り換えて広島や岡山方面に行くこともできますが、どちらも1日数本しかなく、待ち時間も数時間と長いため、そのまま『奥出雲おろち号』で折り返して、奥出雲や出雲の観光に戻る人も多いそうです。

行きは景色を満喫して、帰りは途中下車の観光に興じるのも良し。
じっくり計画を立てて奥出雲の旅を楽しんでください!

駅や車内で出会えるご当地グルメも楽しみ!

見どころ満載の列車旅に華を添えてくれるのは、やはりその土地ならではのグルメです。
予約して買えるお弁当から、停車駅で味わえるアツアツのグルメ、小腹が空いた時にうれしいスイーツまであるので、こちらもぜひ計画を立てて味わってみてください。

●トロッコそば弁当 730円
トロッコ列車の名を冠した、奥出雲名物を詰め込んだお弁当。奥出雲の代表的な味覚・蕎麦に、こちらも奥出雲特産の舞茸を添えた、素朴でヘルシーなセットです。

お問い合わせ:八川そば 0854-52-1513 (火曜定休)
※予約可(乗車当日10時まで)

●仁多牛(にたぎゅう)べんとう 1,000円
こちらも奥出雲名物のご当地和牛・仁多牛を、「お米の西の横綱」と呼ばれる仁多米(にたまい)に載せたお弁当です。肉の旨みたっぷりのジューシーなタレと共に、ボリューム満点かつ大満足の一品です。

販売区間:JR出雲三成駅 ←→ JR備後落合駅 の車内 (往復とも)
お問合せ:竹葉 0854-54-0213
※予約可(乗車前日まで)

●奥出雲和牛焼肉弁当 1,000円
ご当地和牛のもう一方の雄(ゆう)・奥出雲和牛のお弁当。特性のタレで焼き上げた香ばしい味わいを、やはり地元の味覚・頓原漬(とんばらづけ)が引き立ててくれます。

お渡し駅:JR木次駅 (JR備後落合駅行の便のみ)
お問い合わせ:マルマン雲南店 0854-47-7225
※要予約(乗車前日17時まで)

●笹ずし(6個入) 1,100円
エビ・サケ・サバ・ウナギ・タコ・カニの6種類の具を載せた、バラエティ豊かな押し寿司です。ほんのり笹の香りが漂う贅沢な味わい。

販売区間:JR出雲三成駅 → JR出雲横田駅 の車内 (片道のみ)
販売日:土・日・祝日
お問い合わせ:飯田屋 0854-52-1044
※予約可(乗車前日まで)

●焼き鳥 (1本) 120円
臨時売店「延命の里」で買える、タレが絶品の焼き鳥。同店ではJRグッズも販売しています。

販売駅:出雲坂根駅
お問い合わせ:延命の里 090-7505-8617

●スーパープレミアムアイスクリーム VANAGA (1個) 380円
平地飼の有精卵と、たっぷりの牛乳で練り上げた贅沢なアイスクリーム。5つのフレーバーから選べます。

販売区間:JR日登駅 → JR出雲八代駅 の車内 (片道)
お問い合わせ:恵みファクトリー 0854-47-7108
※予約可(乗車前日まで)

●牧場(まきば)のカスタードプリン 250円
地元の新鮮な牛乳と平地飼いの有精卵で作ったプリン。さらに国産のビートグラニュー糖を加えて、上質かつ風味豊かに仕上げています。

販売区間:JR木次駅 → JR出雲八代駅の車内 (片道)
お問い合わせ:恵みファクトリー 0854-47-7108
※予約可(乗車前日まで)

●てなづちの里の「クリーム大福」 (3個入) 400円
カスタードとカラメルのクリームが入った、和洋折衷のカジュアルな大福もちです。

販売駅:JR出雲八代駅 (JR備後落合駅行きの便のみ)
販売日:土・日・祝日のみ
お問い合わせ:田村屋 0854-54-1517
※予約可(乗車前日まで)

他にも多彩なグルメやお土産品がめじろ押し!
景色も美味も満喫して、奥出雲の旅に酔いしれてください。

五感全てで楽しめるトロッコ列車の旅は、きっといつまでも心に残る想い出となる。

- DATA
木次線トロッコ列車 奥出雲おろち号

HP:http://www.hiikawa-summit.info/orochi/

<切符の購入・お問い合わせ先>
JR主要駅 の みどりの窓口・旅行代理店など
※ご乗車の際は、運賃のほかに指定席券が必要です
(JR主要各駅の窓口 または 各旅行代理店等 にて、1ヶ月前より購入可)


<運転区間>
JR木次駅 ~ JR備後落合駅(片道60.8km) / 1日1往復・各駅停車
※一部の日程では、出雲市駅からの片道延長運転を実施
※定員64名(全区間・全席指定席/全席禁煙)


<2019年の運行期間>
2019年4月6日~2019年11月24日までの金・土・日・祝
(GW・夏休み・紅葉期間は平日も運行)

取材協力・写真提供:木次線/無断転載禁止
ライター:風間梢(プロフィールはこちら

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